ヒアリについて

2017年6月13日に特定外来生物に指定されている強い毒をもつ南米原産の「ヒアリ」が国内で初めて見つかったと報告がありました。

中国から神戸港に入港し尼崎市内に運ばれたコンテナの中で発見されたそうです。

その5日後には神戸・ポートアイランドのコンテナヤードでも目視で100匹程度確認されています。

今回見つかった集団についてはすぐ駆除されたようですが、その後全国の港を中心に本格的な調査が始まり、新たな生息情報が次々に寄せられています。

7月21日には、ヒアリの調査中に同じトフシアリ属でヒアリとよく似た「アカカミアリ」も見つかっています。

これがヒアリだ

・体長2.5~6.0mm(ワーカーは多型で混在)
・頭部と胸部が赤褐色で、腹部が黒褐色
・動きが非常に素早い
・針を持ち刺す

 

ヒアリ(Solenopsis invicta)Red imported fire ant

・頭頂部は凹むが溝はなし
・大顎にははっきりとした歯がある
・触角の柄節は長く、頭頂の半分以上

アカカミアリ(Solenopsis geminata)Tropical fire ant

・頭頂部に深い溝がある
・大顎は歯がなく、全体的に黒色
・触角の柄節は短く、頭頂の半分程度
・ヒアリのように素早い動きではない
・マウント状のアリ塚は作らない

どちらも英名では「Fire Ant

ヒアリの生態・被害

  • 近年、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、台湾、中国南部など環太平洋諸国に急速に分布を拡大しているが、侵入経路は明らかになっていない(日本では特定外来生物に指定)
  • 草地など比較的開けた環境を好む。温度選好性は亜熱帯~暖温帯地域
  • 繁殖期:羽アリは通年見られるが特に春・夏に多い。結婚飛行は春から晩秋まで7回程度行う。
    産仔数:女王アリは1日に2,000個近く産卵し、コロニーの個体数は8万~25万にもなる。
  • マウント状のアリ塚を作る(アカカミアリは作らない)。3年で高さ30cm、直径60cmに達する。通常60~100㎡の縄張りを持つ。
  • 雑食性で節足動物やトカゲなどの小型脊椎動物、甘露、樹液、花蜜、種子などを食べ、採餌行動は単独で行われることが多い。
  • 刺された瞬間は「熱い!!」と感じるような激しい痛みが走る。数分~数十分で腫れが広がり発疹が現れることもある。
  • 体質によっては、呼吸困難などのアナフィラキシーショックを引き起こし、命にかかわる危険な状態になることもあるので刺されないように注意が必要。
  • 人体だけでなく生態系や農作物への影響も懸念される。

 

ヒアリの対策

ステップ1:生息場所の確認

ヒアリは土を利用したマウント状のアリ塚を形成するため、そのアリ塚を中心に施工するエリアを探ります。

ステップ2:薬剤の選定

海外では粒状のアリ用米塗材を巣の周辺に施工する方法が有効とされています。
有効成分ではフィプロニルやアセフェート、ヒドラメチルノン+メトプレン、インドキサカルブ、アバメクチンなどが利用されています。
国内の業務用では、「アリキックベイト:ネオニコチノイド系」「アンツバスター:ヒドラメチルノン」が粒状のベイト剤として販売されていますのでこれらでも有効です。
また、近年主流のジェルベイトも有効と思われます。
好む餌の系統は「脂質」で油脂、オイルなどが最適です。
台湾ではモニタリングに海老せんやソーセージが使われています。

個別に巣を発見している場合は液剤・粉剤・粒剤の施工も有効です。
海外ではベータシフルトリンやデルタメスリン、フィプロニル、カルバリル、ビフェントリン、インドキサカルブなどが使用されています。
国内では「インパスSC(チアメトキサム:FL剤)」や「サイベーレ0.5SC(β-シフルトリン:FL剤)」、「シャットアウトSE(エトフェンプロックス・カルバリル混合剤:粉剤)」などがお勧めです。

ステップ3:薬剤の施工方法

(1) アリ塚周辺への施工

周囲(30~100cm程度)にアリ塚をのものにはかからないように粒状ベイト剤を処理します。
複数の巣がある場合は、周辺へ均等に処理していきます。
アリキックベイトを使用する場合は5g/㎡を目安にアリの活動範囲に施工します。

(2) アリ塚そのものに殺虫剤処理を行う

◆液剤を使用する場合

インパスSCを使用する場合は300~400倍希釈をした液を約1L/㎡の割合でアリ塚の大きさに合わせて染み込むように処理します。

◆粉剤を使用する場合

シャットアウトSEがうっすらアリ塚の表面にかかるように処理します。

◆粒剤を使用する場合

クリーンショットを使用する場合は、20~30g/㎡をアリ塚に処理します。

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